初心者向け解説

白色LEDの登場以降懐中電灯の世界も活性化し、小型・高出力なライトが次々と発売されるようになりました。
この手の物には漢(オトコ)心を擽られる要素があるので、当然2chにもスレが立ちマニアが集う事になります。
やがて各々の趣味嗜好に応じてスレは分かれていく訳ですが、ホムセン最強フラッシュライトスレの主旨としては
「その辺で気軽に買えて普段使いの実用性が高いライト」と言った所でしょうか。
傍からみれば値段相応でドングリの背比べに見えるかもしれませんが、
「いやいや、一番いいドングリを見つけようぜ」とスレ住人は今日も新製品に食いついていくのです。
なにぶん2ch故に表現が極端になりがちではありますが、流れを読み取り購入時の参考にして頂ければと思います。
また、ホムセンライトは気が付かないうちに品質や性能が変更(改良または改悪)されている事が有ります。
スレ上での意見・感想は、あくまでその時点でその人が入手した個体の話だという事に留意して下さい。

LEDの種類


明るさ

明るさを表す単位としては、光束(lm・ルーメン)、照度(lx・ルクス)、光度(cd・カンデラ)があり
こことかこことかこことかに解説が書いてありますが、
ホムセン懐中電灯に於いては「商売上の表記」で「おおよその目安」だと思ってかまいません。
主流になってきたルーメンにしても、メーカーの定義の差や個体差、配光・色温度による体感の差も大きいので、
公称ルーメンでの僅かな差はあまり意味を持たないといえます。
遠距離でのスポットや照度計で測ったりするとちゃんと差が判る事もありますが、
そもそもルーメンの場合実用上「人間の目だと2倍位の差が無いと明確に明るくなったと感じないのでは?」とか
「2本同時に照射しても明るさに差を感じるには1.5倍位は必要かも」といった指摘がされています。
店頭でパッケージを見比べながら20,30ルーメンの差を悩むよりも、ネット上での評判を調べた方が
建設的と言えるでしょう。

それと「W・ワット」という表記も有ります。Wって電力ですから明るさとは直接関係有りません。
初期の頃は意味が有ったようですし、出力では無くLEDの定格仕様の表示と捉えるべきとの話もありますが、
発光効率の異なる様々なLEDが入り乱れている現在では、白熱球のような比較はできないと考えていいでしょう。
故に意味の無いW表記を見るとスレ上では「あれはだぶりゅーという謎の単位だ」といったネタとなります。

ルーメンは大雑把に言うと「光源から出る光の総量」です。
全光束ですから、ズームレンズなどの集光による変化は関係ありません。
ルーメンを計測するには、積分球という高額な専用の機器が必要なので一般人には不可能です。

※バルブルーメン (LEDルーメン,エミッタルーメン)
 LED自体の出力値。理想的な条件下での計測値だったりするので実際はこれより落ちます。
 この値がライトの宣伝文句として使われる事が多いですが、現実には3割引,4割引が当たり前です。

※トーチルーメン (OTF(Out The Front)ルーメン)
 ライトに実装された状態での出力値。当然ながら集光でのロスなどが有るのでバルブルーメンより低下します。

※ANSIルーメン ANSI/NEMA FL-1  (Energizerの解説ページ)
 アメリカのフラッシュライト業界では「キチンと測定方法を定めて統一しようぜ」となったらしいです。
 日本のホムセンライトの表示をこれに合わせると、ルーメン値はかなり低くなると思われます。

・中華ルーメン
 通販やヤフオク等でみられる怪しげな中国製ライトの誇大広告ルーメンの事です。
 広義では国産ブランドやアメリカブランドに対しても中国製造を揶揄する意味合いで使われたりします。
 また中華ルーメン→中華ラーメンといった流れでラーメンと書く人も稀に居ますが、
 あくまでスレ上でのネタですから突っ込んだら負けです。

・(メーカー名)+ルーメン
 公称ルーメン値が他メーカーとの比較等で実際と乖離していたりすると、
 スレに於いて揶揄する意味合いで「○○ルーメン」といった新しい単位が創設されます。

点灯時間

スレのテンプレに
○連続点灯時間、実用点灯時間
 パッケージに書かれている値は全く当てにならないので注意。←重要
 実際の点灯時間や特性は使ってみないと解らない。
と書かれているのは伊達ではありません。

実用点灯時間・連続点灯時間など各メーカーによって基準はバラバラです。
↓総合スレからの引用ですがこのレスの通りだと思います。
137 名前:目のつけ所が名無しさん[sage] 投稿日:2011/06/13(月) 15:50:31.30
実用点灯時間終了の基準が明確でない以上、ランタイムなんて主観でしか無い。
光量が開始時の○○%に落ちるまで、とか、実数で○○ルーメンまで、とか、あるいは目視限界まで、とか。
「完全に消えるまでがランタイム」とすれば確かにメーカー公称の時間は保つものが多い。

また、LEDライトは電池の性能がダイレクトに出ます。
↓参考 その筋では有名な気の迷い氏のサイト(テストしてるモデルは古いですがこんな感じになります)

LEDライトは明るいのが売りですが、本当の実用点灯時間が判っていないと悲しい事になります。

※(メーカー名)+タイム
公称点灯時間がランタイム計測等で実際の実用時間と乖離していたりすると、
スレに於いて揶揄する意味合いで「○○タイム」といった新しい単位が創設されます。

コリ・リフ

コリメーター(レンズ)

レンズで集光するタイプ。凸レンズの焦点に光源を置いて平行光線を作るものです。
ズームとかフォーカスコントロールとかのレンズで焦点調整出来るものもコリです。
・ムーンレンズ
満月のようにまん丸で周辺光が無く、ムラの無い均一な照射をするものです。
c.jpg
リフレクター

光源を囲む反射板で集光するタイプ。口径の大小や深さによって特性が変わります。
光を均一に反射するため表面に細かい凸凹加工が施してあるものを
「オレンジピール」と言い、OPリフと呼ばれたりします。
ツルツルの方はスムースリフ(SMOリフ)といいます。
r.jpg
画像の出典 CPF Flashlight Review

 コリメーターレンズというのは目的なのか形状なのかで、スレ上では少し定義があやふやな所があります。
 厳密な意味ではここここの画像にあるような円錐形をしている物だと思うのですが、
 リフの対義語としてのコリだと、レンズ物は全てコリとして表現してきた流れもあるような気がします。
 OHMのズームなどに使われているのは単純な凸レンズなので、コリと表現するのは問題があると考える人も
 居ると思われます。

※TIR (Total Internal Reflection) レンズ
 SureFireとかで使われているレンズ。全内部反射と訳すのでしょうか。
 「強力なスポット光とかを作れる高性能レンズ」的な意味合いで捉えておけば良さそうです。

※パナのBF-BG20Fのようなコリ(中央部に小さな凸レンズ)&リフ両用なタイプも存在します。

「懐中電灯・フラッシュライト総合スレ 42lumens」の解説レスを転載
321 名前:目のつけ所が名無しさん[sage] 投稿日:2011/05/23(月) 22:03:54.59

<スポット>
中心光。照射光の中心の一際明るい部分。

<スピル>
周辺光。スポットの周辺の光。

<スポットの広さの呼び分け(狭い順から)>
ピン、タイト(所謂飛ばし系)、ナロー(一般的。25-34mmヘッドに多い。)
ミドル(XM-Lの普及で増加傾向)、ワイド

<フラット>
コントラスト(明暗差)のない均一な配光。例:蛍光灯。

<フラッド(フラッディ>
スポットからスピルへの減衰が極めて緩やかな配光。例:ZebraLightのFシリーズ。

<OP(オレンジピール)リフレクター>
反射面にオレンジの皮のような僅かな凹凸がある反射板。テクスチャードリフレクターとも。
スポットとスピルのコントラストが比較的緩やかで、照射距離と見易さをバランスよく両立させる。

<スムースリフレクター>
反射面が鏡のように滑らかな反射板。
スポットの照度確保優先のリフレクターで、所謂飛ばし系の機種に多く使われている。
コントラストが激しくなりがちなため、光束を落としても手元照射には不向きな場合が多い。

電池


日本 米国
単1形 D
単2形 C
単3形 AA
単4形 AAA
単5形 N

「単4×3本」とか書くより「3AAA」の方が手っ取り早いですし、
海外サイトとかの表記もこれなのでフラッシュライト関連スレではアメリカ式です。
他に使われる電池として「CR123A」という3Vリチウム電池もありますが、
ホムセンライトとしてはお高いのであまり話題にはならないと思われます。

使用頻度が高い場合はeneloop(エネループ)等の利用を、
長期備蓄や低温環境下での利用にエナジャイザーのリチウム乾電池を検討してみるのも良いかもしれません。
(エナジャイザーのOEM品と思われる1.5Vリチウム乾電池 (単3形,単4形)がパナから発売されました)

また「セル」という単語で「電池」を意味する表記も使います。
「1セル」=電池1本
「Cセル」=単2電池


※参考リンク

色温度

照射光が黄色いとか青いとかの話題の時に出てくる用語です。
wikipediaの色温度にカラーチャートの概略図がありますが、色温度が高いと青っぽく低いと黄色っぽくなります。

LEDは発光体の青色+蛍光体の黄色の合成で白色を出しているので、
モデルによって全体的に黄色っぽいとか、同じモデルでもロットや個体によって色が少し違うとか、
そういったバラツキがあります。
またバラツキとかでは無く、製品として意図して暖色系とか特定の色温度のLEDも作られています。
LEDライトでも高級な機種になると、明るさや色温度をきちんと揃えたLEDを使ったりするようですが、
安さが売りのホムセンライトでは、スレ住人の報告によって機種毎の傾向は判りますが、
実際に買ってみないとなんとも言えない場合もあります。
同じ型番同じスペックなのに、使用するLEDを他社の物に変えたりする事もあるようですから。

※黄色(暖色系)は野外や悪天候に強い?
これ自動車のヘッドライトのバルブの話題でも随分昔から議論されていたと記憶していますが、
個人的には同じ明るさなら白よりも少し黄色がかっていた方が、雪や雨の中で見やすいと思います。
ただ人によって感じ方が違うみたいでなんとも言えない所です。結論としてはお好みで。

ダラ落ち ダラ下がり

電池の消耗・電圧の低下に伴って、だらだらじわじわと暗くなっていくタイプのライトの事です。
逆に(図ではストン落ちと書いてありますが)定電流回路で電池を使い切るまで
一定の明るさを保つタイプも有ります。
現状一部例外は有りますが、ホムセンライトのほとんどがダラ落ちです。
カタログスペックの明るさが出るのは、新品電池を入れた最初だけという事になります。
勿論ダラ落ちのカーブは機種により様々で、初期照度の7,8割で数時間粘る物もあれば
最初の30分だけ明るくてその後いきなり暗くなる物とかもあります。
実用上重要な性能指標ではありますが、大切なのは自分に必要なタイプを見つけられるかどうかです。

dara.PNG

Vf・DCコン・DD

Vfの意味は順電圧とか順方向降下電圧などと定義されていますが、
LEDの話題でVfというのは大雑把に言えば駆動電圧(発光する為に必要な電圧)の事だと思えば良いでしょう。
ホムセンライトに使われる白色LEDのVfは、種類により様々ですがおおよそ3V台前半になります。
普通の乾電池の電圧は1.5V、エネループは1.2Vなので、電池1本や2本だとVfには足りない事になる訳です。
また電圧に依らず、電池から安定して電圧・電流を取り出す為にちょっとした電子回路も必要になります。
こういった回路の性能・特性が、同じLEDを搭載しているライトでも大きな差になって現れて来る事が有ります。

○DC-DCコンバータ(⇔ダイレクトドライブ、DD)
 直流電圧源である電池から電圧電流等を変換してLEDへ供給する装置。
 電池1~2本の製品でLEDを点灯可能にするため電圧を上げる回路を特に昇圧回路と言う。
 最高照度を保つ時間が長いものが人気を集める傾向にある。

電池3本を直列にすればVfを越える事になりますから、降圧の為に抵抗などを入れたりはしますが
昇圧回路は不要となり、その分シンプル(回路が単純なので安価ででき壊れ難くいが電池の性能直結)になります。
こういう電池の電圧がそのまま掛かるタイプを、ダイレクトドライブ(略してDD)と呼びます。
電池の本数的に中途半端な気がする3AAAや3AAの機種が存在するのは、DD機の利点によるものです。
電池3本以上の場合、高級機だとちゃんとした降圧回路が載っている物も有り、その場合降圧コンと呼ばれたりします。

※スタートアップ電圧・最低起動電圧
昇圧回路にはスイッチ投入時に回路を動作させ始める為の、最低限必要な電圧があります。
低電圧でも光るものが偉いと言う訳でもありませんが、
同じへたった電池でも点くライトと点かないライトがあったりするのは
その辺の回路の特性によるものが影響しています。
一度回路が動き始めるとそれ以下の電圧になっても動き続けていたりするので、
暗くなってきているのに点けっぱなしにする時は、二次電池では過放電に注意が必要です。

発熱

パワーチップ型LEDはかなり発熱します。故にしっかりと放熱されているかが重要になります。
LEDライトの中にはフルパワーで連続点灯すると熱くて持てなくなる物も存在します。
国産ブランドが一応付いているライトでは火傷するほど酷い物はあまり無いと思いますが、
ハイパワーモデルや怪しげなノーブランド品などでは注意が必要です。

フリッカー(ちらつき)

ホムセンレベルのライトの場合、調光はPWM(Pulse Width Modulation)調光です。
これは高速で点滅させて点灯時間と消灯時間を制御することで明るさを調整するものです。
(LEDは反応が速く、点滅繰り返してもあまりへたらないらしいのでこんな制御ができます)
この時、充分に高速で点滅すれば人の目にはずっと点いているように見えるのですが、
回路がしょぼくて点滅が遅いとちらつきを感じてしまう事が有ります。
基本的に減光している時にPWM調光が掛かり、100%フルパワー点灯の時は掛からない筈ですが、
100%でもPWM調光しているらしい機種がスレで報告されています。
フリッカーの感じ方は個人差や個体差も有りますので、一概にあのモデルは駄目とか言えないのが
難しいところです。

スイッチ

伝統的なスライドスイッチの機種や、ヘッドを捻ったりするツイストスイッチの機種も有りますが、
スレで話題になるライトの多くはメインスイッチが押しボタン式です。
電子スイッチ的な物を除くと、ライトの押しボタンスイッチには2種類の構造が有ります。

※フォワードクリッキー
 OFF状態から半押しでONになり、その後押し切ればカチッとなりONが維持される。
 間欠点灯が可能。(但し、OFF状態からの半押しでモード選択動作になる物も有り)
 ON状態から半押ししても基本的にONのまま。
 モードの切り替えをメインスイッチひとつで行うライトでは、モード切り替え時に一旦OFFが必要になる。

※リバースクリッキー
 OFF状態からスイッチを押し込んでカチッといった後、指を離す時にONになる。
 間欠点灯はできない。
 ON状態から半押しすると一時的にOFFになる。(モード選択動作に移行する物も有り)
 モードの切り替えをメインスイッチひとつで行うライトでは、点灯後の半押しモード切り替えがし易い。


間欠点灯
 一般的には間隔をあけて点滅する事を意味すると思いますが、
 ライトの話題では「スイッチを半押ししている間だけ点灯し離すと消える」動作をこう呼びます。
 スイッチがモード変更を兼ねているような機種などでは間欠点灯できない物が有ります。


※インスタントオフスイッチ
 複数の点灯モードを一つのボタンで切り替えるライトにおいて、
 どのモードからでもボタン一発で消灯できるスイッチの事。
 点灯後やモード切替後、数秒経過するとスイッチがモード切替では無く消灯になるので使い勝手が良い。

※ロックアウト
 テールキャップを少し緩めることで物理的に通電しなくなる仕組み。
 キャップが外れそうなほど緩めないと電源が切れない場合は、ロックアウト機能とは言えません。
 誤点灯を防いだり、電子スイッチの待機電流をカットしたりするメリットが有ります。

・テールプッシュ式
 多くの機種で採用されているテールに押しボタンが付いているタイプ。
・サイドプッシュ式
 ライトの側面、順手で持った時に親指にあたる位置に押しボタンが付いているタイプ。
 長さのあるライトだと使いやすい。電子式で無い場合は胴体がやや長くなりがち。

調光モード記憶 (モードメモリー)

調光モードの記憶は、物理的なスイッチが有る(リング状セレクター等)機種を除くと
・常に僅かながら電池を消費し待機電力が必要なタイプ
・スイッチOFF後、コンデンサに貯まった電荷が抜けるまでの間だけ記憶するタイプ(数分程度)
の2種類が存在します。
使用頻度が低かったり、非常持ち出し袋に入れておくような目的の場合、
僅かとはいえ無駄に電池を消耗させるタイプは、液漏れの危険が増したりもするので避けた方が無難かと思われます。

EDC

えぶりでぃきゃりーの略
常時携帯用の意味で使われます。

メーカー

メーカーと言っても実際作っているのは中国かそこらでしょう。
ホムセンレベルの製品で自社製品として管理しているのは、
パナソニックとかの大手メーカーやアメリカブランドのMAGLITEやドイツブランドのLED LENSER位かと思われます。
他はOEMでボディだけ自社専用の物にするとか、適当に買い付けて来てパッケージングするとか、
そんな感じだと思われます。

ちなみにGENTOSの元ネタはこの辺だろうと言われています。

その他

・自転車での利用を考えている方は2ch自転車板の
 「◎懐中電灯・汎用ライトを自転車前照灯に**本目」スレによるまとめサイトを参考に。

・ホムセンレベルよりもっと高性能なライトが必要な場合は、
 Fenix・ZebraLight・NITECORE・Olight・4Sevens・Lumintop・SUREFIRE
 といった通販で購入出来るライトを検討されると良いでしょう。

456 名前:目のつけ所が名無しさん[sage] 投稿日:2012/03/10(土) 21:01:17.89
結局ホムセン最強フラッシュライトはどれなんだよ

457 名前:目のつけ所が名無しさん[sage] 投稿日:2012/03/10(土) 21:06:54.06
saikyo.png


  • 最終更新:2013-12-07 13:57:50

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